2012-04-23T20:37:53+09:00

AppleScriptDoc のアップデートを準備中

AppleScriptDoc はAppleScript のソースコードおよびマークアップされたコメントから、ハンドラのリファレンスマニュアルをHTMLとして出力します。

色んなプログラミング言語にも、ソースコードおよびマークアップされたコメントからリファレンスマニュアルを HTML として出力するツールはいろいろあります。 HeaderDoc とか JavaDoc とか。あと、Perl の POD や Ruby の RDoc とか。AppleScriptDoc は、AppleScript 用のドキュメント生成ツールです。

出力のサンプルは、XModules の各モジュールのマニュアルの中に含まれているリファレンスを参照してください。例えば、こんなの

AppleScriptDoc が生成する HTML は、スクリプトバンドルの HelpBook として設定して、ヘルプビューアで表示するようにすると、いくつか便利なことがあるようにしています。一つは、ヘルプビューアで表示しているリファレンスのスクリプトを AppleScript エディタで開かせるリンクがあります。ヘルプビューアでリファレンスを見ていて、おかしいところを発見したり実装を確認したくなったら、すぐにソースコードにジャンプできる訳です。便利でしょう?

もう一つは、ハンドラのテンプレートをコピーできる機能。使いたいハンドラを見つけたら、手早くコピーして、開発中のコードに貼付けられる訳です。便利でしょう?

これらの機能は、ヘルプビューアの AppleScript を実行する機能に依存しています。この機能の仕様が Snow Leopard から微妙に変わってしまって、うまく動かなくなってしまっていました。その辺の修正と出力の細かい調整が、アップデートの内容になります。

ところで、AppleScriptDoc について、フィードバックがもらったことがない。たぶん、誰もユーザーがいないと思われる。自分が必要と思うから、作って公開しているのですが、このままだと継続は難しい。

AppleScriptDoc だけならまだしも、XModules で公開してるモジュールのどれかについてフィードバックがあった試しはない。こんなのがあるよ〜と紹介すると、一定のご評価は頂けるようですが。継続して使われている気がしない。

ModuleLoader には、かすかにフィードバックを頂いたことがあるのが救いです。

結局のところ、AppleScript にライブラリ/モジュールを活用したプログラミングの文化が根付かないんだな、とおもう今日この頃です。なんで、こんなことになるのか・・・勝手に考察してみると、

  1. 小物や使い捨てのコードがほとんどで、モジュール化が必要なほど大規模なソフトウェアの開発に使われない。
  2. プログラミングの初心者がほとんどで、ライブラリ/モジュールの恩恵を理解していない。
    • 初心者は、全部自前でなんとかしたがる傾向があると思います。

なんて、理由が思いつくがどんな物でしょうか?

XModules の前に、AppleMods というAppleScript のライブラリがあったけど、これも、結局使われている気配がない。AppleMods はモジュールのロードが煩雑なので、受け入れられないのは仕様がない気がする。実際、僕は受け入れられなくて自前のシステムの開発を始めた。

十分に洗練されたモジュールロードシステムがあれば、AppleScript でもライブラリ/モジュールを使った文化が花開くかと思って ModuleLoader の開発を頑張った。Version 2.1 以降で、十分にコンパクトなコードでモジュールの管理を行えるようになったと思う。これの開発に成功したときはすごくうれしかった。AppleScript に堪能な人からはそれなりに反応を頂いたけど、でも、それっきりという感じ。やっぱり、ライブラリ/モジュールの需要そのものがないのか?