次のように、スクリプトの(暗黙の)run ハンドラ内で、Objective-C のオブジェクトを変数に入れているスクリプトがあるとします。このスクリプトを実行後に保存しようとすると、エラーが発生します。

なぜエラーが発生するかというと、

1. (暗黙の)run ハンドラ内の変数は、property です。トップレベルで宣言されていなくても、自動的に作られます。
2. AppleScript の property の現在値はスクリプトファイルに保存される/できるという性質があります。
3. Objective-C のオブジェクトはポインターすなわちメモリのアドレスであり、保存しても次回の実行時には意味が無い値となります。
4. したがって、Objective-C のオブジェクトは保存が制限されていると思われます。

と解釈できます。

とにかく、property に Objective-C オブジェクトを入れているのがいけないのだから、実行終了後に破棄されるローカル変数に入れるようにすればよい。この場合、エレガントな対応は次の二つ。

明示的なローカル変数宣言を行う

なかなか、利用することは少ないのだけど、AppleScript にはローカル変数であることを宣言する構文がある。次のように 変数「str」を明示的にローカル変数にしてしまえば、変数「str」は property ではなくなり、スクリプトの保存時にエラーは発生しなくなくなる。

でも、もっといい方法がある。明示的なローカル変数宣言は、変数が増えてくると大変じゃん。いちいち、local ~ なんて書くのはめんどくさいじゃん。

ユーザー定義ハンドラ内で実行する

ユーザー定義ハンドラ無いですべての Objective-C オブジェクトを扱うようにすれば、すべての問題が解決する。ハンドラ内の変数はデフォルトでローカル変数だからね。いちいち、local ~ という文を書かなくてもよろしい。

以前、「私の run ハンドラ」という文章を書いたことがある。run ハンドラ内の変数の不用意な保存を避けるために、run ハンドラ内では、ハンドラの呼び出しとエラー処理だけを行いましょう、という内容です。今回の結論も似たような形になった。合わせてご一読ください。